富山にしかない価値を、世界に向けて発信したい

寺岡 亮

ジャパンビジネスディビジョン TOYAMAグループ
寺岡 亮(てらおか・りょう)1989年富山県富山市生まれ。東海大学卒業後、富山県信用組合に入組。地元企業の金融営業に従事。2019年アトムに入社し富山事業ならびに(株)CANTEEN STATIONの新規事業開発に従事。夢は日本の富山を世界の富山にすること。

あまよっとの第一印象は「富山っぽくない」

プライベートであまよっと横丁を訪れたのは、2018年12月。本当はこの先にある飲み屋さんを友人と予約していたのですが、たまたまここを通りがかり、あまりに雰囲気が素敵だったので予約をキャンセルして、ここで飲むことにしました。

「富山っぽくないな」それがあまよっと横丁の第一印象です。しゃれていて、活気があって、いろいろな年代の人たちが集まっている。富山生まれの富山育ち、大学時代は関東で過ごしたけれど、卒業と同時に富山へUターンしてきた僕でも、富山にこんな場所があったことは知りませんでした。そして同時に、とても嬉しくなりました。

富山の若い人たちは、よく、「都会はいいよね、遊ぶところがたくさんあって」と言います。都会と違って、ここには遊ぶところや、見るところがない。だから休日でも家に引きこもって、外に出ようとしない人が多いんです。以前の僕も、そんな感じでした。でも、あまよっと横丁を知ってから変わったんです。

「遊ぶところがないなら、自分たちで作ればいいんだ!」

あまよっと横丁から帰宅し、僕はすぐにインターネットで検索しました。そして、東京のA-TOMという会社が運営していることを知りました。この会社に入りたい、そして、代表の青井茂さんにお会いしてみたい。僕はそう思いました。

関東の大学を卒業して、僕は東京と富山で就職活動をしました。どっちで働くのが自分のためにいいのか、決めかねていたからです。「たぶん東京で働くだろうな」とぼんやり思っていたのですが、就職活動のため改めて富山へ帰省してみると、以前は見えなかったこの街のいいところがたくさん見えてきました。人のあたたかさ。ゆったりした時間。海や山の豊かな自然。この環境で働く方が、自分の人生がもっと良いものになるんじゃないか。そう思って僕は富山で働くことを決めました。

「尖ったことをやりたい」

就職したのは、金融機関でした。法人担当として企業の決算内容を確認し、どういう融資が必要か、企業の担当者と話しながら決めるのが僕に与えられた仕事でした。社会人になったばかりの頃は、やること、出会う人、みんな刺激的で毎日とても楽しく過ごしていました。でも6〜7年経った頃から、なんとなく違和感を覚えるようになったんです。もっと他にやりたいことはないのか、もっと熱くなれるものはないのか。そんなタイミングで、僕はたまたま、あまよっと横丁に出会いました。

あまよっと横丁の運営会社であるA-TOMに早速連絡をとり、面談してもらえるようお願いしました。人事担当の方と何度かお会いしたのち、偶然、A-TOMの社員旅行の行き先が富山だったため、この街で代表の茂さんとお会いすることになりました。僕はA-TOMという会社に興味を持ってから、ずっと茂さんの情報を調べていました。茂さんのインタビュー動画や取材記事を、何本もインターネットで観ました。そのたびに、この人に会ってみたい、話をしてみたいと思いました。

若くて、挑戦心が強くて、エネルギッシュで、この人と一緒に働けたら何か面白いことができそうだ。なんとなく、そんなふうに思っていました。そしてとうとう、富山市内の全日空ホテルのラウンジで、初めて茂さんとお会いした日。

「きみは何をやりたいの」

そう聞かれて、僕は「尖ったことをやりたい」と答えました。いい意味で富山っぽくなく、この街を活気づけられること。そして、若い人たちも年配の人たちも、みんながひとつになって盛り上がれるもの。この街の人たちのために、この街にしかできないことをやりたい。そういう思いを熱心に伝えました。僕は30歳になる前に、なにか新しい一歩を踏み出したかったのです。

アイデアが評価され、「ありがとう」と感謝される

現在、たまたまお客さんとして訪れたあまよっと横丁で、管理責任者として働いています。お客さん同士の距離が近く、隣り合って飲んでいる人たちが親しく会話を始めるシーンもよくみられます。「一緒に何か、面白いことをやりたい」と言って、市内の飲食店の方がコラボの話を持ちかけてくれることもあります。あまよっと横丁はコンテナが連なった、それほど大きくないスペースですが、毎日たくさんの人が集まってきて多くの「縁」を生み出しています。僕は金融機関にいた頃は、企業の代表者と1対1という、小規模なスケールでビジネスをすることがほとんどでした。

でも今は、大げさではなく、富山全体を動かすくらいの規模感で仕事をしている実感があります。あまよっと横丁開店1周年のイベントでは、市内のビール醸造所とコラボしたり、梯子を使った演舞を披露してもらったり、さまざまな催しを行いました。

「ありがとう、とても楽しかった。また来るよ」

お客さんが口々にそう言ってくださったことがとても嬉しく、この仕事に就いてよかったと心底思いました。自分のアイデアがお客さんに評価され、「ありがとう」と感謝される。働いていて、こんなに嬉しい瞬間はありません。

あまよっと横丁で働いて、1年半が経とうとしています。まったく未経験からのスタートで、すべてが手探りの連続でした。失敗もあったし、悔しいことや悲しいこと、落ち込むこともありました。でも、あまよっと横丁をもっと魅力的な場所にしたい。そしてここを起点に、富山にしかない価値をどんどん発信していきたい。その気持ちは経験を重ねるたびに、どんどん強くなっています。これからも、あまよっと横丁に関わってくださる方々や、足を運んで下さるお客様とのご縁を大事にしながら、新しい価値を創造します。そのために自分自身もみんなと一緒に成長を重ねながら、自分自身の限界に挑戦し続けていきたいと思います。