年間1万人が訪問。ここからたくさんの縁が生まれていく

グループインタビュー「コートヤードHIROO」

フレイヤ・ディーン/今井珠美/久保田聡子

Dean Freyja Jayne(フレイヤ・ディーン)1987年英国ブライトン生まれ。ロンドンのセントラル・セントマーティン校美術科で修士を取得。イングランド王立外科医師会で解剖模型の制作に携わる。現在はコートヤードHIROOでFREYJA NO HEYAの講師を務めながら、アーティスト活動を行う。トランスヒューマニズムに注目し、木や3Dプリンターを用いてミクストメディアを制作している。最近の趣味は日本の古典文学。

久保田聡子(くぼた・さとこ)1987年、神奈川県藤沢市生まれ。慶應義塾大学卒業後、日本通運に就職。国際貨物海運営業を担当し中国赴任も経験する。2019年アトムに入社し、コートヤードHIROO関連事業における管理及び海外展開促進業務を担う。趣味はクラシックバレエ。

今井珠美(いまい・たまみ)1989年長野県長野市生まれ。大妻女子大学卒業後、広告代理店での営業を経験。その後スポーツアパレルメーカーや観光関連団体でのPRを担当。2018年アトムに入社し、コートヤードHIROOの管理運営・PRに従事。最近の趣味はロングトレイル。

出会いが生まれる都心の中庭

--入社の経緯と、チーム内における各自の役割について簡単に教えてください。

今井:2018年9月に入社。以前は広告代理店に勤めていました。

入社のきっかけは、バッグパッカーでスペインを訪れた時、たまたまポッドキャストで茂さんのインタビュー番組を聞いたんです。若くて勢いがある様子が印象的で、その考え方に共感したこともあり、帰国してA-TOMにメールを送りました。それからとんとんと話が進んで、入社が決定。今はコートヤードHIROOでイベント企画やウェブでの情報発信を担当しています。

フレイヤ:私はコートヤードHIROOで子供たちを対象に、アートと英語を教える「フレイヤの部屋」を主宰しています。コートヤードHIROOに初めてきたのは5年前。アーティストの友達がFIRST FRIDAY TOKYOに誘ってくれたんです。その時、青井さんと初めてお会いし、コートヤードHIROOにガロウを作るという話を聞いて、「ぜひ展覧会をさせてください」とお願いしたところからご縁が始まりました。

久保田:私はフレイヤのアーティスト活動をサポートしたり、コートヤードHIROOの経理関係を管理したり、A-TOMも支援している日本産ウォッカ「KEYS&BRICKS」の海外展開をサポートしたりしています。

入社は2019年7月。以前は国際物流の仕事をしていましたが、あまりに多忙でなんのために働いているのかわからなくなっていた頃、知人に紹介されてA-TOMを知ったんです。「何をするかより誰とするか」というキャッチコピーに共感して、ここに入りたいと思いました。

今井:コートヤードHIROOは、まさに都会の中庭。都心のこんな一等地に、これほど広々としてたくさんの人が集う場所があることに、訪れた方はみな驚かれます。

私たちはみんなコートヤードHIROOの運営に携わっていて、それぞれ立場は違うけれど、この空間に対して感じている価値や想いは一緒ですよね。

フレイヤ:私はイギリスのブライトン出身で、学生時代はロンドンで過ごしました。向こうの人たちは週末になるとよくホームパーティを開くけれど、日本ではスペースがないからか、あまりそういうことをしませんよね。でもコートヤードHIROOはFIRST FRIDAY TOKYOを開催して、たくさんの人が訪れ、集まってくる。そうした雰囲気は私にとってとても懐かしく、東京では貴重だなと思います。

久保田:私も初めてコートヤードHIROOを訪れた時には驚きました。都心にこれほど贅沢なスペースがあるなんて思わなかったし、いろいろなジャンルの人が自由に交わり、たくさんの出会いが生まれている。まさに異空間だなと思います。

フレイヤ:私の両親もアーティストなのですが、2016年にファッションデザイナーである祖母も加わり、三世代で展覧会を開催させてもらったんです。オープニングパーティには父が、最終日のパーティには母がイギリスから駆けつけてくれて、二人ともこうした素敵な場所で家族の展覧会を開けたことを、とても喜んでいました。それが今までで一番の思い出です。

今井:ガロウでは不定期にいろいろな展示を行っていて、そのたびにさまざまなアーティストと仕事ができるのは、私にとってもすごく刺激的です。芸大の学生さんから社会的な問題にフォーカスしたアーティストまで年代やジャンルはさまざま。普段の生活ではなかなか関わることがない方たちと一緒に、展示を成功させるお手伝いができるというのは、とてもやりがいのある仕事です。

久保田:確かに、日常ではなかなかご縁がない方達とコートヤードを通して関わることができるのはここで働く一番の面白さですよね。

私は入社する前、もっと尖って入り込めない雰囲気なのかなって心配していたんです。でもいざ関わってみたらそんなことなくて、みんなとてもいい人。アーティストの方もコートヤードに訪れる方もアットホームで親しみやすいのでホッとしました。

アート、食、スポーツ……。挑戦する人たちをサポートしたい

今井:コートヤードHIROOがオープンしたのは2014年。それ以来、たくさんの人が関わってくださって、今では年間2万人もここを訪れてくださるようになりました。

これからもっと活動を充実させて、ますます魅力的な施設にしたい。たとえばいま、東京藝術大学の社会連携センターと一緒に「A-TOM ART AWARD」という事業を展開し、芸大の学生さんたちの作品から優秀な作品を選び、コートヤードHIROOのガロウで展覧会を行っているのですが、5年後や10年後にその学生さんがもっとキャリアアップして、このガロウに帰ってきてくれたらうれしいですね。

それから、今はアートだけだけど、食やスポーツなどの分野で挑戦している人たちもサポートして、新しい可能性をどんどん世の中に紹介したい。そうやって、コートヤードHIROOに集まる人たちが、ここを拠点にもっと成長していく様子を支えていきたいと思っています。

久保田:「ここにきたら面白いことが始まるよね」って言われるような施設にしていきたいですね。ここにはヨガスタジオやレストランなどがあり、アートも食もスポーツもビジネスもなんでもある。いろいろなコンテンツがあって、まさに人間力を高められる場所だと思うんです。これからももっと施設としての可能性を広げ、ますますたくさんの人たちが集う中庭になれればと思います。

フレイヤ:日本でアート活動をしていて思うのは、日本にアーティストはいるけれど、アートマーケットはないということ。欧米だと、アートディーラーがアートの売買を仲介したり、優れたアートを世に出すお手伝いをしたりするのは当然だけど、日本にはまだそういうマーケットが育っていないなって思います。

いま、コートヤードHIROOは若いアーティストたちをサポートしているけれど、今後、アーティストたちが世の中に羽ばたいていくためには長期的にサポートする体制が必要。コートヤードHIROOにはぜひ、アーティストと世界をコネクトさせる役割を期待したいですね。

今井:これからコートヤードHIROOに関わる人がどんどん増え、活動の幅を広げていくには、どうしても新しい人材が必要だと思います。業種も得意分野も年代もさまざまな人が一か所に集まるのがコートヤードHIROOの特徴。だから、一人一人考え方が違うということを理解して、ちゃんと互いに尊重しあえる人に、ぜひ、仲間に加わって欲しいですね。一人一人が思いやりを持って過ごすことができたら、コートヤードHIROOはもっと居心地がよくなり、たくさんの人に愛される場所になるんじゃないかなって思います。

久保田:私は転職して、圧倒的にパソコンに向かう時間が減り、人と話す時間が増えました。毎日、やる仕事が違うので、義務的にこなすのではなく、やっていてワクワクすることが本当に多い。今は、フレイヤが12月に行う展覧会のお手伝いをしているのですが、「アーティストってこうやって展覧会を開くんだ」とか「こうやって作品を作るんだ」とか、今まで知らなかった世界を探求させてもらえるのがとても楽しいんです。

新しい世界を知ることを楽しいと思える人や、何にでも好奇心を持って取り組める人にとって、コートヤードHIROOはまさに最適の環境。ぜひ、そういう人に仲間に加わって欲しいなと思います。