NEWS2023.10.19

A-TOM ART AWARD 2023 受賞者・各賞発表


当社は、若手アーティストの育成を図るとともに、文化を通じた都市・地域活性を目指し、芸術を学ぶ全国の学生から作品を募集する「A-TOM ART AWARD 2023」を開催しています。多数の応募の中から、書類選考、プレゼンテーションによる最終審査会を経て5名の受賞者が決定いたしました。2023年10月13日(金)~10月29日(日) の期間、コートヤードHIROOにて受賞者によるグループ展を開催いたします。
さらに副賞として、2023年秋~2024年にかけ、東京・富山の二拠点でのアーティスト・イン・レジデンス、展覧会、エプソンのプロジェクターを使用した共同制作を実施していきます。
本アワードを通して、若手アーティストが社会や人と繋がり、活躍の場が拡がるきっかけとなることを願っております。

A-TOM ART AWARD 2023 EXHIBITION
展示期間:10/13(金)~10/29(日)
営業時間:12:00~19:00
授賞式:10/19(木) 17:00~19:00 ※各賞の発表を行います
休日:月曜日
展覧会HP https://cy-hiroo.jp/topics/archives/6510

■A-TOM ART AWARD 2023 受賞者

齋藤 晃祥
2000年兵庫県明石市生まれ / 東京藝術大学大学院彫刻科在籍
コートヤードHIROO賞 受賞

向かうべき風景
山に登った時の体験が作品の根底にある。丸太という人一人の力じゃ手に負えない素材をどのように扱えばいいか悩んでいた時期のこと。山を歩いていると黄金に輝く物体を見た。その正体は折れた枝の無数の繊維が光を乱反射して輝いていたものだった。私はその中に、生物としては死んだけど剥き出しの生命力と無数に束ねられた繊維の記憶からの解放を見た。そして丸太をスライスして内包されている記憶と木目の景色を解放することでこの体験を作品として昇華した。


上條 信志
1998年東京都生まれ / 東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻在籍
エプソンプロジェクションアワード 受賞

Butterfly in the Room
作品のテーマは「絶え間なく再生される膨大なイメージによる情報の飽和と分断」。例えば、人混みにいるときや友人や家族と食事をしているとき、または一人でベッドに横たわっているときなど、私たちは自分には直接関係のない出来事や物語をモニターを通して見ている。ゲームのハイライト、退屈な広告、戦争の報道など、無数の映像が私たちの目や身体に無秩序に流れ込んでくる。このような情景を、架空の旅客機の窓から見た景色と地上の部屋の窓から見た景色、双方向の視点を組み合わせることで、空想的でありながら現実を取り込んだストーリーを構築している。


中澤 瑞季
1995年神奈川県生まれ / 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程 彫刻研究領域在籍
TOYAMA賞 受賞

ホーム
ブロック状にした木材を組み合わせ、組み合わせたブロックを縦断するように板材を垂直に差し込み、生まれた境界を行き来するように人体のイメージを作っている。制作時や展示される時の作品の周りの環境である建築空間を、作品の内部に垂直性をもって介入させることで、作品の存在自体が環境に溶け込み不確かになっていく、その中で人間の存在の不確かさにつながる表現がうまれる。


石井 佑宇馬
2001年福島県いわき市生まれ / 金沢美術工芸大学 染色専攻 在籍
TOYAMA賞 受賞

Nonverbal dyeing
この作品の紋様は全て手描きの防染糊置きと面相筆による彩色の点描によって生み出されている。紋様に下書きはなく、手の赴くままに即興的に糊を置き、染色をし、紋様を生み出していく。禁欲的な手仕事から生まれる抑制された美しさと、作者すら予期できない即興性から生まれる作品の身体性。これらの美意識に加え、染まることと染まらないことの関係性、染料と余白地の関係性も大きなテーマである。「互いに関係し合い、表裏一体となって一つの世界のうねりとなる」という私の自然に対する考え方がそこにはある。


尹苑
1993年中国上海生まれ / 東京藝術大学美術研究科彫刻専攻博士後期課程在籍
ソノ アイダ賞 受賞

Apparatus Furnitures-Dining/Organizing
コロナ自粛中身体が家具に囲まれた環境で息苦しさを感じたことから着想を得た。家具は、人間が自分の日常的行動パターンで組み上げたシステムでありながら、それを使用する人間は習慣によって生活が形成されていく。これは人間が自分で生み出したものから抜け出せなくなることを意味する。身体と家具が共生しているように見えて、実際は形を維持するために相当な忍耐を必要とする。家具を支える身体が耐えきれず震え、限界を感じても「手放せない」、「崩さない」という人間とシステムの矛盾した関係性を表現する。作品はシステムの崩壊を示唆するが、実際のところその可能性は見る者に委ねられている。パフォーマーの本能的な違和感と拒否感を表現すべく、パフォーマーが2つの構造を維持しようと身体が痙攣する細部にフォーカスし鑑賞者に緊張感を共有する。

A-TOM ART AWARD 2023
https://a-tomartaward2023.cy-hiroo.jp/

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